人間をはじめ、地球上に存在するあらゆる生物は、すべてたんぱく質でできています。では、たんぱく質を分解していくと…、最終的には、アミノ酸にたどり着くのです。人間の体を作っているアミノ酸は、20種類。皮膚、筋肉、骨、脳、内臓、血液、髪の毛、爪など、人体は、20種類のアミノ酸が、複雑に組み合わされることで、成り立っています。 生命の源ともいえるアミノ酸には、疲労回復、代謝アップ、美肌効果、免疫力アップ、抗ストレスなど、さまざまな働きがあります。私たちが、より充実した毎日を送るために、アミノ酸は不可欠の成分といえるでしょう。 20種類のアミノ酸は、体内で作ることができる非必須アミノ酸と、食品で補う必須アミノ酸の2種類があります(図1参照)。つまり、必須アミノ酸は、たんぱく質豊富な食品から摂取しなくてはなりません。しかし、十分なたんぱく質を食事からとろうとすると、脂質や糖質も一緒にとることになり、カロリーオーバーになりがちです。加えて食品が、消化吸収され、分解されるまでには、平均して3~4時間もかかります。対して、サプリメントの場合、カロリーの心配がないだけでなく、すでに分解された状態で摂取しますから、即効性にも優れています。アミノ酸サプリメントが注目を集める理由が、おわかりいただけたことでしょう。ちなみに、ペプチド、コラーゲンは、いずれもアミノ酸が結合したものであり、分解すればアミノ酸になります。
先ほども触れたように、アミノ酸には、さまざまなパワーがあります。なかでも女性が強い関心を寄せるのは、美肌効果でしょう。皮膚は、表面から、表皮、真皮、皮下組織の三層構造になっています。表皮の角質層の部分において、肌の水分を保持する"うるおい成分"の主原料はアミノ酸です(図2参照)。お湯で食器を洗ったあと、手がカサカサになることがありますね。これは、お湯によって、皮膚のアミノ酸が失われたからなのです(図3参照)。 「さらに、肌のハリやきめは表皮の下の真皮の状態で決まります。真皮の70%はコラーゲン。先ほどもふれたように、コラーゲンは、いくつものアミノ酸が結合してできたもの。アミノ酸を豊富に体内に保持することが美肌への第一歩といえるのです。化粧品など外側からのケアではなく、サプリメントにより、体の内側から、健康な皮膚を"作り出す"プログラムが働くのです。 意外なところでは、アミノ酸はお酒を飲むときの強いサポーターになります。アミノ酸は、アルコールを分解する酵素の働きを活性化する力があるからです。アルコールを飲む前後に、アミノ酸を補給すれば、二日酔い防止の効果が期待できます。もちろん深酒はいけませんが、忘年会や送別会など、お酒の席が多くなるシーズンには、アミノ酸の力を借りて、体調を管理するのも社会人の智恵といえるでしょう。
東京理科大学薬学部卒業後、東京工業大学大学院博士課程(生命化学専攻)修了
協和発酵工業株式会社入社以来、21年間研究開発に従事。遺伝子工学、化粧品及び医薬部外品の原料開発に携わる。平成14年11月株式会社イムダイン入社。平成20年1月 代表取締役社長に就任。平成16年 東京大学薬学部非常勤講師、現在は成蹊大学理工学部講師を務める。
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